バグがチャンスに変わる。話題を呼ぶコラボレーションのつくり方。

2021年10月11日 12時00分 公開

高杉晋作CEO率いるKIHEITAI HOMMEは、毎シーズンエッジの効いたテーマによる奇抜なコレクションで世間を賑わす気鋭のファッションブランド。ヘアメイク業界のカリスマスタイリストとして知られる広岡浅子社長のA・SALONとのコラボレーションが爆発的な売れ行きとなり、話題になっています。今回は、異業種でビジネスチャンスを生み出せた理由について聞きました。

――お二人のコラボレーションが話題沸騰中です。

広岡社長:こんなにうまくいくとは正直思っていませんでした。結果的には高杉さんの話に乗ってよかったです。

高杉CEO:浅子さんにホメられて嬉しいな。僕のモットーは「面白くないものを面白くする」ことだから。

――KIHEITAI HOMMEが掲げる理念にもなっていますね。

高杉CEO:みんなが面白いと言っているものは全然興味がない。だってそれはすでに面白いものでしょ。次に面白くなる可能性を持ってるのは、今は誰にも見向きもされていないものなんです。いつも考えているのは、最大公約数を取りに行かないってこと。そんなのは他の人に任せますよ。僕はKIHEITAI HOMMEじゃないとありえない服で勝負したい。

広岡社長:最初に会った時もね、アポなしで突然来たんです。30分くらいバーっと喋って、最後に「僕は浅子さんと一緒にやりたい」って。どういうプレゼンなの?って呆れましたね(笑)。でも熱意と行動力はピカイチだし、反骨精神のある経営哲学は気に入りました。

高杉CEO:浅子さんのサロンに通っているスタッフがいて、高杉さんとは絶対気が合わないタイプ、出禁になったら嫌だから行かないでくれ、ってハッパかけられてね(笑)。それを聞いた後すぐ向かったんです。

板垣退助

――まさに「動けば雷電の如く発すれば風雨の如し」ですね(笑)。どうしてそこまでして広岡社長とやりたいと思われたのでしょうか。

高杉CEO:コレクションは1年以上かけて準備しますが、ブランドの多くはコンサルタントと協業するんですね。消費者データを分析し、次のシーズンに売れそうなデザイン、形、値段を決めていく。マーケティングとしては正しいけど、ちょっとつまんないよね。だから僕はかならず、バグを入れるようにしてるんです。

――バグ、ですか?

高杉CEO:香水もそうだけど、いいものだけじゃ奥行きや深みは出ないんですよ。バグってたり変だったりするユニークなエレメントを入れてはじめて多層的になる。それで今回は浅子さんにジョインしてもらった。アサコ・ヘアスタイルから着想を得たコレクションを作ろうと思ったんです。

広岡社長:この人、私に向かってバグヘアって言ったんですよ。でもね、不思議なもので「私が手がけるヘアスタイルってバグなのか」と思ったら何だか妙にウキウキしてきちゃって。「バグヘアっていいな、面白いな」なんてね。高杉さんは価値の下克上を起こすのがうまいんです。

――広岡社長の器の大きさを感じるエピソードでもありますね。

広岡社長:ありがとうございます。コラボレーションはすごく意味のあることでした。KIHEITAI HOMMEの会社経営を覗き見できちゃったしね。私は最初、高杉さんはワンマンでスタッフも徹夜が当たり前のさぞかし前時代的な会社だろうと偏見を持っていたんですが…裏切られました(笑)。

高杉CEO:ハハハ。「在庫管理システム」を見直して新しいツールを入れてから劇的に変わりました。今ではパタンナーやデザイナーが在庫管理に奔走するなんてことがなくなって、負荷が格段に減った。ITの活用は、バグの例で言えば悪さするやつを見つけて適切に取り除くほうの作業ですね。バックヤードのバグはコストになるから早めに駆除します。

MINKENの実店舗

――お二人で新たな販路開拓も行ったそうですね。

広岡社長:まず「KIHEITAI HOMME ft. A・SALON」として新作コレクションを店舗に置くことは決めていました。高すぎるけど、せっかく置くならそこで売ってみようかと提案したんです。

高杉CEO:ヘアサロンでファッションブランドを買うってすごく素敵な体験だよね。目から鱗が何枚も落ちました。

広岡社長:実際やってみたら予想以上の反響でした。スタッフとお客様の信頼関係に特別感があったから成功したんだと思います。実はA・SALONで導入している「予約管理アプリ」が重要な役割を果たしました。どのスタッフにどんな髪型やトリートメントをオーダーしたのかが一目でわかり、お客様の深層にある"なりたいイメージ"が予想できる。お客様に似合うスタイルを引き出せるスタッフがレコメンドするので、かなりの確率で興味を持っていただけるんです。

高杉CEO:この記事が出たら、色んなブランドが浅子さんのサロンで売らせてくれって営業に来るだろうね。

広岡社長:そうね、ビジネスチャンスがもっと広がればいいと思います。もともとヘアサロンは単価が高いでしょう。それでもお客様は自分らしくありたい、もっと色々な自分に出会いたいというすごくポジティブな気持ちで来店される。スタッフが嘘のない接客をしなければ、満足度にはつながりません。私はみんなに「仲良くならなくていい、信頼されなさい」と伝えています。2〜3時間、必要最低限のやりとりしかしないスタッフとお客様も多いですよ。

――コミュニケーションで重要なのは、会話だけではないということですね。

広岡社長:お客様と向き合う、と言うと漠然としていますが、つまりはお客様の心理的安全性を守るってことなんです。誰にも邪魔されない一人の時間を求めている方もたくさんいますから。お客様が自然体でいられるサロン空間をスタッフみんなで作りたいですね。あともう一つ、今後は女性スタッフが独立して開業できるように支援したいと思っています。

高杉CEO:第2、第3の浅子さんが増えていくのが楽しみだな。新作コレクションの展開、準備しておかなくちゃ。

広岡社長:お願いだから今度はアポ取って来てちょうだいよ(笑)。

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株式会社KIHEITAI HOMME

高杉晋作

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広岡浅子

デジタル導入や接客ツールの整備など
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