英語のECサイトをつくって、日本語の服が爆売れするまで。

2021年12月27日 12時00分 公開

「映画を見れば、この衣装か!って納得するよ」

高杉晋作CEOは楽しそうだ。それもそのはず、来年の春に公開予定のハリウッド超大作に、KIHEITAI HOMMEが衣装提供として名を連ねたからである。

「ハリウッドからのオファーは初めてじゃないんです。これまでは納期や予算の折り合いがつかなくてね。今回はお互い納得できるところに落ち着いてよかった」

高杉晋作

きっかけは最近リニューアルしたECサイトだという。これまで日本語のみだったが、英語のページを新しく制作した。しかし、単純に英語のページができるだけでハリウッドのエージェントからオファーがくるものだろうか。

「英語は国際言語だから、顧客が世界中に広がります。過去のコレクションや担当デザイナーを紹介してるんだけど、思った以上に反応がいい。まずビッグメゾンから連絡が来て、映画会社の衣装担当からも問い合わせが続いたんです。彼らはみんな英語のページを見たんですよ」

日本独自の文化は海外での注目度が高い。発信方法を工夫すれば何十億という潜在顧客が見込めるのだ。そして、高杉CEOはあることに気がつく。

「ECサイトでの購入に必要な情報は限られているから、最低限そこを英語にしておけばいい。面白いのは、海外の顧客は日本語は読めなくても、文字自体にはすごく興味があることです。漢字、ひらがな、カタカナの入り交じったアジアの中でも非常にユニークな言語だから」

海外のデザイナーから日本語の意味を教えてほしい、という問い合わせがくることも。そこで、来シーズンの“高すぎる新作”コレクションには日本語の刺繍を施すことにした。

「刺繍のカルチャーは日本に昔からあるけど、それが海を渡るとクールだと受けとめられている。僕は詩が好きなので、詩を刺繍しました。糸は上質で丈夫なものがよかったから、シブボウさんにお願いしてね」

高杉CEOは、シブボウ株式会社の渋沢栄一社長たっての希望で、徳川慶喜オーナーが経営するchez YOSHINOBUの作業靴のデザインを任されている。その縁が奏効したのだ。

「人は服を買ってるんじゃなく、服を通して思想を表現している。作業着をアップサイクルしたスーツがいい例だけど、海外向けの販売数は国内の30倍です。海外の顧客は生き方そのものを持続可能にすべくシフトしている。日本の顧客も今後そうなっていくでしょう」

顧客との大きな接点であるECサイト。ブランドの理念やサステナブルな取り組みを日本のみならず世界へ発信する重要性は、年々増しているようだ。

ホームページ作成アプリについて

ハリウッド超大作への衣装提供にもつながった「ホームページ作成アプリ」とは?アプリ導入の経緯とその効果について聞きました。

  • ――導入に至った背景を教えてください

  • 海外からの問い合わせが増えていたこと。過去のコレクションで使用された素材、調達方法などを細かく知りたがる顧客もいました。彼らは環境意識や日本文化に対する関心が高い優良顧客ですが、個々に対応していたため膨大な時間がかかり、商機を逸してしまっていたんです。

    高杉晋作
  • ――導入の効果はいかがですか?

  • ECサイト上で必要最低限の情報は共有済みなので、スムーズに商談へ入れるようになりました。ファッションは究極的には言葉がなくても伝わるものだけど、今は服一着とってもその存在意義が問われる時代です。英語でそれを発信できるのは強みだね。

    高杉晋作
  • ――御社らしい使い方の例を教えてください

  • 社内のデザイナーやパタンナーの中にもサイト制作に興味がある若手がいるので、彼らでチームを組みました。スキルは問わず、意欲があれば誰でもチームに入れます。サイトに凝った演出はいらないから、と僕からはそれだけです。彼らが使いやすいアプリを見つけてくれてよかったよ。

    高杉晋作

KIHEITAI HOMMEが導入した
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株式会社KIHEITAI HOMME

高杉晋作

EC強化と在庫管理アプリの導入で
デザイン部門へのリソース集中に成功!

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高杉晋作