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導入事例

徳川 家康
代表取締役社長

徳川 家康<br>代表取締役社長
事例 05

大江戸ドラッグ株式会社

最低賃金引き上げの戦い

徳川 家康
代表取締役社長

持続可能な会社経営は、
社員の働きやすい仕組みづくりから!

大江戸ドラッグ株式会社は、処方薬のみならず、OTC医薬品や化粧品なども販売し、子供からお年寄りまで幅広いニーズに対応する調剤薬局です。都内に6店舗を構える同社は、コロナ禍においては、いち早くオンライン調剤にも対応し、地域医療を支えています。これまで紙で管理していた患者さんの薬歴をシステム管理に変更しました。その結果、確認時間が短縮し生産性が向上し、従業員の時間給(最低賃金)の引き上げにも成功した同社。その取り組みについて徳川家康社長に語っていただきました。

-助成金を活用して電子薬歴管理システムを導入されたそうですね?

患者さんに処方するにあたってお薬の服用歴を確認するのですが、患者情報を紙で管理していたので確認に時間がかかっていました。また、管理スペース確保も実はネックになっており、どうにかしなくてはと感じていました。そんな時に助成金の存在を知り、これを活用しない手はないと申請をし、電子薬歴管理システムを導入するにいたりました。

-効果はいかがでしたか?

素晴らしいことだらけでした。まず患者さんひとりあたりの確認時間が1/4に短縮されました。その時間で、より丁寧な服薬指導ができるようになりました。それに、多くの患者さんから「待ち時間が短くなったね」とお褒めいただきましたし、待ち時間に対する患者さんのストレスが大きかったこともわかりました。患者さんは「泣くまで待てない」わけです。また、何より大きかった効果は、従業員の労働時間が効率化され、生産性が向上したことかもしれません。その影響で収益も向上しましたので、ずっと行いたかった時間給(最低賃金)の引き上げも行うことができました。

-最低賃金(※)の引き上げは、どのような計画をお持ちでしたか?

恥ずかしながら、あまり具体的な計画は持っていませんでした。人材は私の宝ですから、普段から従業員の要望や発言を気にかけ、従業員の心を細やかにフォローしようと考えてはいましたが具体的な行動にはなかなか移せずにいました。「苦労をかけるが、いましばらく辛抱してほしい」と従業員に負担を強いてしまっていたかもしれません。

※最低賃金制度とは
最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならない制度

-では、導入を決めたキッカケは何だったのでしょうか?

弊社では合議制で物事を決めることも多く、費用が伴うシステム投資に慎重な組織なのですが、何か策はないかと地域の働き方改革推進支援センター(※1)に相談しに行ったことがキッカケでした。その時に、生産性向上のためのシステムを業務改善助成金(※2)を活用して導入することができると聞き、導入を決定しました。

※1「働き方改革推進支援センター」では、就業規則の作成方法、賃金規程の見直し、労働関係助成金の活用など、『働き方改革』に関連する様々なご相談に総合的に対応し、支援することを目的として、全国47都道府県に設置されています。

※2 中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)の引上げを図るための制度。 生産性向上のための設備投資(機械設備、POSシステム等の導入)などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などにかかった費用の一部を助成します。

-従業員の方の反応はいかがでしたか?

最低賃金の引き上げはもちろん喜んでくれましたが、それよりもお客様の満足度が向上したことに喜びを感じています。システムが導入されることで、自分たちがやるべきことに時間を使えることになり、それによってお客様の満足度も上がり、自分たちの生産性も向上しました。

-これからの展望や取り組みを教えてください。

私たち大江戸ドラッグは、これからも従業員と一体となり、200年300年続く調剤薬局として地域医療を支えていきたいと考えています。それから、システムに移行した患者情報ですが、実はファイル自体は各店舗の地下倉庫にまだ保管してあるんです。社員たちは徳川埋蔵倉庫と読んでいますが、これらの処分をできるだけ速やかに進めたいと思っています。