ターゲットは1人。市場は個人の集合と捉えていくと、きっとうまくいく。

2021年10月11日 12時00分 公開

「ビジネスを成功させるには、まず市場について把握すること。そう考えているうちは、市場を把握することはできない」そんな、一見矛盾したように感じる話をするのは、株式会社MINKENの板垣退助社長。骨董品を中心としたセカンドハンズ商材を取り扱い、前年比500%増の流通総額で注目を集めるMINKEN.comの創業者だ。この快進撃の始まりは、EC事業に進出した6年前、まったく売れない商品をたくさん取り揃えていたMINKEN.comが、たった一人の顧客のお店での購買行動をヒントにECサイトの在り方を刷新したことだった。

板垣退助

一般的に、骨董品は趣向品として位置づけられている。万人に好かれるものじゃなく、好みも、購入理由も人それぞれ。だからこそ、商品との出会いをどう設計するかが最重要ミッションと考えられている市場だ。

「我々の業界で成功するためには、大抵の人は「まず、取扱い商品数を増やすべき」と考えます。そしてそのあとに、商品の検索機能やレコメンド機能をはじめとする「買いやすいUXの追求」だと。それは市場原理から考えると、その通りかもしれない。きっと何一つ間違っちゃいないでしょう。でも。私たちMINKENは、そういうアプローチをしないんですね」不敵な笑みと共に、板垣社長は自社の独特なアプローチを明かしてくれた。「うちはね、全くの逆。商品点数は少なく。買いづらく」

どういうことか?

実店舗を持つMINKENですが、売り上げの99%がオンラインです。では、なぜ未だに店舗を構えているのか。それは、目の肥えた人が集まるから。その人たちの行動を見ていれば、いま現在のトレンド、つまり売れるものと売れないものが見分けられる。そこが見分けられれば、どんな商品を買い付けるべきか、大体わかってくるという。「だから、うちは常連客を大事にする。その人たちに選んでもらえる場所をつくる。一人の趣味趣向から、市場全体で売れやすいモノの傾向を見つける。品数はさほど重要じゃない。重要なのは商品の目利き力と、奥行きを確保する買い付け力だよ」

ここで一つの疑問が浮かぶ。骨董品に「奥行き」つまり在庫数という概念が存在するのかという点だ。板垣社長はこう語る。「もちろん、一点ものだからね。厳密には奥行きという概念ではないでしょう。ただ、お客さんが求めているものを「色」「形」「素材」「製法」「産地」などに分解して考えていくと、意外とニーズはその延長にあるんですよ」求められているものが分かれば、あとは社員総出で買い付けるだけだ。

MINKENの実店舗

ここの買い付け力もMINKENの成長を支える大きな強みとなっている。業務委託契約を結ぶ世界中のエンジニアやデザイナーたちに、現地で商品を買い付けてもらうのだ。「基本的には皆、アンティークや骨董品が好きな社員たち。タスク管理アプリで社員の業務管理をしていますが、買い付け業務にアサインされた社員は皆、イキイキとして出動していきますよ」

MINKENの成長を支えるもの、それは一人の顧客に向き合う商売の基本姿勢と、オフラインの独自性や強みをオンラインに最適化した、まさにDXの賜物と言えよう。二次流通産業に新たな旋風を巻き起こすMINKEN.comは、「市場とは顧客の集合体でしかない」という理念のもと、一人一人の顧客に寄り添い、これからもサービス改善を続けていく。

タスク管理アプリについて

MINKEN.comの成長を影で支える「タスク管理アプリ」とは?板垣社長に導入の経緯と、その効果を具体的に紹介してもらいました。

  • ――導入に至った背景を教えてください

  • MINKEN.comを制作するのは、世界中のフリーランスのエンジニアたちです。アンティークものは国境を選ばずに売れるという特徴がありまして、元々ノンバーバルなシンプルなサイト設計にしたいと考えていたため、そのような制作体制をとりました。制作については本当にトラブルなく進んだのですが、唯一、週次で行うタスク管理だけが大変でした。うっかりアサインを忘れると一週間くらい穴が空いてしまうなんてことも。そこで、効率的にタスクを管理できるツールの導入が必要でした。

    板垣退助
  • ――導入の効果はいかがですか?

  • 本当に無駄が減りました。一目で業務の進捗や、抜け漏れが確認できるようになりました。「管理」ということで導入したわけですが、当社の社是である「自由な働き方を全社員に」の推進にも大きく貢献したと思います。

    板垣退助
  • ――御社らしい使い方の例を教えてください

  • やはり、買い付けでしょうね。私たちMINKENは、社員に自由に働く権利を与えることが、会社の成長に直結すると信じています。その信念のもと、社員や業務委託のエンジニアたちは「買い付け」時間を自由に確保して良いことにしています。好きなアンティーク品の発掘を業務中にしてもらう。どんな戦利品を手にしたか、しっかりと写真付きコメントでレポーティングしてもらっていますが、そこから大きな売り上げに結びついたことが何度もあるんです。

    板垣退助

MINKENが導入した
タスク管理アプリはこちらから

株式会社MINKEN

板垣退助

トレンドを経営にも取り入れた自由な発想で、
会社を繁栄させ続ける異端社長!

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板垣退助